コンパクトカーの選択、安く抑えるコツは?

コンパクトカーの選択は案外難しいものがある。最近のコンパクトカーの売れ筋はだいたい中間グレード(量販モデル)ということになるが、上級グレードも割と売れていて、量販グレードが6〜7割程度、上級グレードが3〜4割という比率とのことである。量販か上級かは誰もが迷うところだろうが、私なりにどちらを取るか見てみたいと思う。

ホンダフィットのAタイプとWタイプの装備差は、電動格納式ドアミラー、リヤ2スピーカー、オートエアコン、本革巻ステアリング、そしてダブルラッセルシート表皮などだが、これで11万円程度の価格差ならば、Wタイプも十分お得であるし、こちらの方がコストパフォーマンスは高いのは事実である。しかも、Aタイプを買いつつ、プライバシーガラスとルーフセンターアンテナが装備されるFパッケージを選択している人は多く、これに4万円出すなら、なおさらこれらも装備されるWタイプの方が安いと私は思う。モビリオもAタイプとWタイプの差は13万円だが、イージークローザーにオートエアコン、木目パネル他多数が付くから、オプションであれこれ追加するくらいなら最初からWグレードにした方がいいと思う。スパイクの場合もオートエアコンやアルミホイール、本革ステアリングなどが10万円で装備されるLパッケージの方がお得度は高いと思うし、アリアもディスチャージなどが装備のLパッケージがいいと思う。これはある意味ではホンダが上級グレードを安く設定しているからこそ出てくる迷いであって、割り切り派ならどのクルマでもAタイプで不満はないことを付け加えておきたい。

その他のメーカーだと、トヨタイストはオートエアコンや電動格納ミラーを装備するLエディションは5万円だから、必要な人にはおすすめという感じで、bBのXバージョンもWバージョンプラス、アルミ・ディスチャージ・本革巻きステアリングで15万円前後と装備分はきちんと取っている。ファンカーゴもXとGではアルミ、本革ステアリング、オートエアコン、1.5エンジン程度で23万円も取っているから、迷ったりはしない。ヴィッツもUグレードとU“Lパッケージ”だと11.5万円も差があるのに、決定的な装備差はなく、Lパッケージが特別安い気がするが、それだけにUを買う必要性は感じられない。プラッツは8万円でMD/CDやフルファブリックインテリア、デジタルメーターなどが装備されるF“Lパッケージ”がベストで、それ以外は割高感がある。そういう意味では悪く見れば、装備差は分はきっちりと取っている、割高感のあるトヨタだが、あまり迷わせる価格設定ではない分、案外と良心的とも取れる部分もある。

日産マーチは12cと14eは6エアバッグやインテリキー、オートエアコンなどなど割とコストのかかる装備の差と、1.4Lエンジンという違いがあるから、22万円の差は安くはないにせよ、納得の価格差ではある。しかし、マーチは1.2でも十分で、12cにオプションをしても14eよりきっちり安く上がる。12cがベストだと思う。キューブは純粋な装備差のみだが、SXにEX並みのオプションを追加してもSXの方が安いのは立派。しかし、逆にオプション不可能なオートエアコン分のみで約5万円の差が出ているのは、EXのお得さを無くしていると言える。オートエアコンで5万円は高い。2万円程度の差にしておかなければならない。だから、キューブはSXにオプション追加がベストだろう。

デミオのCASUALとCOZYは先日の改良により、1.3COZYからオートエアコンなどが省かれて、はっきりとした装備差が薄れてしまったが、インテリアのオシャレさや細かい装備差があるため、5万円の差ならCOZYもいいと思う。コルトのCasualとEleganceは、14.5万円の差があるが、基本的にEleganceの方が総合的なお得感は強いし、内装の質感の高さにも魅力がある。しかし、コルトの場合カスタマーフリーチョイス制が利用できるため、Eleganceの質感の高い内装はそのままに、オートエアコン&オートライトをレスにしたり、シートタイプの変更で120万円程度まで価格を落とすことが可能。装備を取捨選択をするといい。

最終的にコンパクトカーを買う上での重要点は、ついついと、欲しい気持ちをどこまで抑えて、しっかりと吟味することができるかにあると思う。予算に余裕もあって、強く迷うなら上級グレードにした方がいいが、コンパクトカーは元々の価格が安いだけに、安心感もあるのか、けっこうオプションして大そうな支払額になっている人も多く見かける。確かに、先進装備や新しい装備は魅力があるものだ。でも、ディスチャージヘッドランプだの、スタビリティコントロールだの、オートエアコンだの本当に必要なのかと問うことも大事ではないか。このくらいの差なら1.3よりも1.5にしておこうかな、このくらいならこれも付けよう、あれも付けようとやっていると、最終的にはかなりの額になる。私もオンライン見積もりをよくやってみるが、そういう気持ちでする時と、割り切ってみようという姿勢でする時では、最終的な金額に30万円も40万円も差が出ることも多い。確かにあって要らないものは少ないが、本当に必要か、(例えは、別にライトなんて自分で付ければいいじゃん、ディスチャージだって街乗りにはそれほど効果を発揮しないじゃん)と考えられるか、割り切れるかというところが大切なのではないかと思う。だから、欲望のままに選択した見積もりと、割り切るぞ!と思って選択した見積もりを両方作ってみて、そこから吟味するといい買い物ができると思う。