違和感のあるグリーン税制

最近、新しいグリーン税制などに関する更新をしていたが、なんだか違和感を感じるようになった。これまで比較的ゆるい基準を当てはめていた時には、そこまで感じられなかったが、厳しくなるにつれて矛盾がだんだん出てきたような気がする。今年の4月からスタートした新しいグリーン税制は、平成17年排出ガス基準50%低減のU-LEVかつ、2010年燃費基準を+5%で達成しているか、平成17年排出ガス基準75%低減のSU-LEVかつ、2010年燃費基準を達成しているかの、どちらかに当てはまらなければ、受けられないということになっている。環境負荷が低いクルマを優遇して、環境に優しいクルマを増やそうという方向性はいいものだが、ひとつ矛盾が出やすいのが2010年燃費基準である。本来の目的で考えた時に、重さごとに分けて燃費数値を決め、それを活用することに、どういう意味があるのかなぁ?と今さらながら疑問を感じる。結論からいえば、そもそも10.0km/Lも行かないようなクルマまで、環境に優しい車として国が優遇する必要があるのか?ということだ。環境に優しいと威張れるのは、だいぶ甘く見て15.0km/L以上だろう。だから、15.0km/L以上で、いくらか段階をつけて「○○km/Lなら○%優遇」というような方法がベストではないか。軽だろうが、でかいSUVだろうがみんないっしょ。こうすることによって、これまでも気になっていた、同じセグメント内のA車とB車で、A車は軽いためにB車より1つ下の厳しい基準となってしまい、数値はB車より優れているのに、優遇されなくなってしまうという場面も無くなるし、トヨタアルファード(9.4km/L)が優遇されて、スズキツイン(22.0km/L)が優遇されないというおかしなことも無くなる。そんな極端な例まで行かなくても、アルファードアルファードハイブリッド同士だって、基本的に同じ優遇というのもメーカーの努力に見合わないということはないだろうか?(他の優遇は別としても)。特に今回「+5%」という基準が出てきたため、首をかしげるような点が目につき始めて、10.0も行かないクルマを・・・なんて思ってしまったわけだが、これからもこういう制度を続けるのなら、国土交通省もステッカーばかりあれこれ作ってないで、よりよい基準作りをして欲しいものだ。