ラウムはいい車

Hits2003-05-27


トヨタラウムは特別クルマ好きに評価されないかもしれないが、決して否定はされないクルマだろう。こういうクルマがあってもいいよネと誰もが思う車である。ユニバーサルデザインというコンセプトは、初代ラウムにもそういう部分はあったし、これからの自動車の中で重要視されつつある分野だろうと思う。素直に「いい車だね」と言えるラウムはなかなかそういう意味でおもしろい車だと思う。ユニバーサルデザインと一言で言っても、具体的な基準はないのだそうだ。しかし、トヨタ流の考え方でまとめられている。ひとつは、パワースライドドアの設定。誰でもドアを開ける負担がない。そしてセンターピラーレス構造により、乗り降りもしやすい。助手席回転シート仕様がおそらく初めてメーカーオプション設定されたのもニュース(65,000円という安さ)だし、インテリアを見渡せば見やすいメーターパネルに警告灯の日本語表示、使いやすいエアコンパネルに、楕円系のステアリングホイール。肌にやさしいシート表皮に、赤外線をカットするガラス。もっと拡大すれば見やすい視界を確保するディスチャージヘッドランプや、手荷物を持っていてもロックの開け閉めが可能なスマートドアロック、安全性を高めるVSCのオプションなど、この辺もユニバーサルデザインと考えられ、そして意外とラウムに限らず、取り入れられているものだと思う。インテリアも開放的だし、明るく質感も高く居心地がいい。1.5Lエンジンは十分な動力性能を持ち環境にも優しい。これでCパッケージの149.8万円という価格は、ファンカーゴの1.5Lやイストの1.5Lと比べて割安感を感じる。パーソナルな雰囲気こそないかもしれないが、スタイリングも先代に比べたら若々しいものだし、カラーバリエーションも明るい色が揃っている。チャイルドシートが必要な子どものいる、若い奥さまの足には、間違いなくイストよりラウムが使い勝手がいいだろう。そしてオマケだが、乗っている人が優しい人に見えるというのもいいところかもしれない。

こぼれ話となるが、ユニバーサルデザインをクルマに持ち込んだと言い出したのは、確か日産だったと思う。今年のはじめまで売っていたセフィーロが1998年初頭に登場したとき、ユニバーサルデザインとかリラックスがどうとか言っていた記憶がある。誰にでも使いやすいスイッチ類や、居心地の良い空間作りを目指したというだけ、なかなかセフィーロはいい車だった。しかし、後が続かない。本当に日産は目の付け所が5年も10年も早いのはいいが、育てるのが悲しいほど下手である・・・。