コンフォート GT-Z

トヨタコンフォート“GT-Z”が発売されるという。冗談みたいなクルマだが、本当に6月24日に出るという。この「GT-Z」。ネームからして好きな人にはたまらんという感じだろうが、あのタクシーや教習車でおなじみのトヨタコンフォートをベースに、80年代風のスポーティセダンを再現しようというのがコンセプトらしい。手がけるのはさすがにトヨタ自動車ではなく、トヨタテクノクラフトという関連会社である。とは言ってもトヨタ系であることは間違いなく、モデリスタのカスタマイズカーのようなものと考えていただけばいいだろう。ベースは、コンフォート教習車。国内仕様ではこのクルマにしか残っていない3S-FE(2.0L)エンジンに、専用開発のスーパーチャージャーを装備。これによりパワーは160ps/22.5kgmを発揮する。ベースの3Sエンジンはたぶん、130ps/18.5kgmだから、パワーアップとしては、あまり大した事はないなぁと思うかもしれない。しかし、これがある意味演出であり、このクルマの楽しさになるのではなかろうか。というのも、このクルマはあくまでも80年代なのである。(発売元は言ってないが、おそらく80年代でも前半あたりだろう)200馬力以上もあるハイパワーは(正直クルマも持たないだろうが)ふさわしくない。十分な性能かつ、スポーティなフィールそれさえあればいい。それを最大限に引き出して走ることが魅力なのだろう。そういう味を好まないならマークIIのiR-Vあたりを選べばいい。その他では当然、専用エアロバンパーやリヤスポイラー、専用タイヤ・アルミホイール、専用スポーツサスペンションやブレーキ、スポーツマフラーなどを標準装備しているが、オプションでTRD製スポーツクラッチLSD、スポーツステアリング&シフトノブなどが選べるという。エクステリアはエアロバンパーが付いているといえ、ベースがベースであり、また演出上、わざとダサくしているため、カッコいいかは人それぞれだろう。インテリアも同様である。しかし、今では絶滅したと言っても過言ではない、5ナンバー+FR+5速マニュアルといったクルマのタイプだけでなく、スタイルもインテリアも古いのだが、“古きよき時代”を楽しみたい人には待ってましたと言いたいクルマだろう。これが大好評となれば、親分トヨタもこういうクルマを作ってみようかと思うかもしれない。(・・・アルテッツァの失敗でもうないか。)ちなみに価格は227.0万円〜。ベース車が152.3万円だから、それなりのアップだが、元々安いのでアフォーダブル感がある。ただ、キーレスやオーディオ、その他の快適装備などは無し、またはオプションとなる。