カラフルマーチ

新型マーチがデビューして、1年が経過するが、このクルマはカラフルである。この意味でのカラフルというのは、実際に走っているという意味である。結局は、いろいろと用意されていても、シルバーやホワイトばかりになりがちな世の中。その中にいて、マーチは異例と言えるほど、シルバーやホワイトの比率が低い。しかも、売れている色が本来の売れ線よりも違っているからさらに驚きである。例えば、ホワイトやシルバー以外で売れる色と言うと、だいたいブラック、レッド、ダークブルーあたりである。この辺は特に比率は高くないが、常に一定の需要があるため、設定しているクルマが多い。しかし、マーチの売れ筋は、パプリカオレンジとビーンズだという。一番比率が高いのはやはりダイヤモンドシルバーで、これが27%前後を占める。以下、パプリカオレンジ12%、ビーンズ11%、ホワイトパール10%、オパールラベンダー9%、アクアブルー8.9%と続く。ここまでが人気カラーか。これ以降はグッと5%前後からそれ以下に落ちて、フレッシュオリーブ、スーパーブラック、アプリコットブリリアントブルー、アクティブレッドとなっていく。最下位はホワイトだが、これは10b専用色のため仕方ない。マーチがデビューした当時、オレンジ・イエロー系という不人気の定番色ばかり3色も用意して、果たして大丈夫だろうか?と思ったのだが、結果はこうである。残念ながらアプリコットは不人気となってしまったが、パプリカオレンジとビーンズは人気カラーとなった。ダイヤモンドシルバーは法人需要も多いから、個人ユーザーで見ればいかにカラフルなクルマを選んでいる人が多いかわかる。おそらく、シルバーの次にオレンジ、薄い黄色なんて比率となったクルマは国産ではマーチが初めてだろう。

クルマの色には、人気不人気というのが漠然とあり、それはどんな条件でも、無難な色を選ぶ人が多いから仕方のないと誰もが思っているフシがある。しかし、クルマのデザインとカラーというのを本当に上手にプロデュースすれば、不人気だと思われている色でも、人気になることもあるのだろう。今回の不人気となったマーチのアクティブレッド、ブリリアントブルー、アプリコットは、7月の改良で新色に入れ替わるという。スカイラインクーペのクリスタルブルー、プリメーラのルミナスレッドと、もうひとつは新色ショコラと聞いているが、これらが上位に食い込めるかどうか注目である。