プリンスロイヤルの話

日産がプリンスロイヤルの使用を中止するように宮内庁に要請しているらしい。プリンスロイヤルはご存知の通り、皇室専用のおクルマ(別にそんな言葉使わなくてもいいのだが)であり、特別な行事や国賓の送迎のみに使われているという。製造されてからすでに30年以上の月日が経過し、近年では老朽化が問題となっている。というわけで、日産としてはそろそろ限界だから、やめた方がいいということなのだろう。とは言っても、宮内庁は徹底的に整備もしているから問題はなく、まだまだ使うといっているようだ。宮内庁がそう言うなら仕方ない。使うのは自由である。だが、モノがモノだけにメーカーの責任上、ちゃんと言っておかなければという判断があったのだろう。プリンスロイヤルというクルマ。1965年から開発がスタートし、8人乗り、6.4L-V8エンジンを搭載し、これにアメリカから持ってきた3速ATを組み合わせていたと思う。もちろん防弾仕様となり、重さは4tを超えるとのこと。価格は1000〜2300万円で納入されたと毎日に記載があり、初めて知った。当時としてはかなりのお値段なのだろう。全部で5台あり、1台は霊柩車として改造されている。日本の自動車産業の集大成的なクルマだったという。


ちょうど、こんな話題が出てくる前の数ヶ月前、私は日産が新しいプリンスロイヤルを作る気でいるという噂を耳にした。本当かいなぁ?とその時は思ったが、それで、こんな話題が出てきたのだから、やはりクルマ好きとしては気になる。果たしてどこまで本当かはわからないが、やはりプリンスロイヤルの次のクルマを作るとなれば、おそらくプリンスロイヤルを作った現日産自動車に後継は作れないか?と最初に打診があるだろう。日産が新しいプリンスロイヤルを作るとしたら、一体どういうクルマに仕立てるのか。これは想像もつかないが、そうなると、やはりプレジデントがベースになるのだろうか。あるいはもっと先のことなら、まったく新しいLクラスのFRプラットホームが使われることになるだろう。もちろん、ボディは専用のものとなり、内装も特別仕様。ほとんどが職人による手作りみたいなクルマになるはず。お客がお客だけに価格はあまり気にすることもないだろうから、思う存分にやりそうである。やっぱりプリンスロイヤルの後継は、日産に作って欲しいという気はする。日産ファンとしても、プリンスロイヤルのことを誇りに思っているはずだ。しかし、以前の日産なら間違いなく引き受けただろうが、ゴーン社長率いる今の日産はどう判断するのだろう。儲からないからやりたくないとクールな判断を下すかもしれない。しかし、欧米人の皇室に対するイメージを考えれば、やはりゴーン社長といえど、プリンスロイヤルを作ることがブランドイメージを高める事につながると判断するかもしれない。まぁ、日産ができないということなら、トヨタにお願いするということになるだろう。トヨタなら喜んで引き受ける。今後、しばらくはプリンスロイヤルを大事に使うようだが、30年ならまだしも、50年まではさすがに使えないだろうから、どんなに遅くても20年以内には、新しいクルマになりそう。国内最高峰のリムジンがどうなるのか?注目である。


はみ出しネタとなるが、現在の天皇陛下はなかなかのクルマ好きで、プリンスや日産の大ファンだったらしい。若い頃にはスカイラインやグロリアなどプリンス自動車や日産車ばかりを何台も乗り継ぎ、軽井沢あたりを乗り回していたという伝説も伝えられるほど。そういうことからトヨタではなく、プリンス自動車にプリンスロイヤルを作らせることになったというのがあるのかもしれない(想像だが)。