New MARK II !

秋から新型車ラッシュという感じである。今年は前半がかなり少なかったため、後半にまとめてドッと来るという雰囲気なのだが、特に日産の新型車戦略が活発になるという話題は以前にもした。その他にも各社から様々なクルマが出てくるのだが、最近の新型車情報の中で、もっとも驚きを持ったのが新型マークIIであった。このクルマは想像していたよりもなかなかいい。簡単に言えば、かなりV35スカイラインにインスパイアされたと思われるのだが、マークIIというクルマも大きな転換期に差し掛かっている。特に現行のクラウンからトヨタのセダンが変わり始めたが、もっとも力が入っているのは「走り」ではないだろうか。それにはトヨタもV6エンジンを主力を切り替えていくという変革も関係しているが、これまでいわゆるオヤジ車の代表だったクラウン、マークIIを走りを含めて、「らしくないね」といわれるようなクルマに仕立てている。それには近年のセダン不人気が影響を与えているのだろうが、つまりこれまでのようなコンセプトでは振り向いてもらえないということなのである。クラウン、マークIIのお客の中心は50代〜60代ということもあり、若返りも必要である。今までのようなクルマではとても若い世代は購買意欲をそそられない。メルセデスベンツBMWも比較的手が届くようになった現代では、セダンはそういったヨーロッパ車に向いていくことが予測される。マークIIもそういう意味で、BMWのようなクルマ作りに近づいているというとわかりやすいかもしれない。エクステリアは、現在のiR系よりもさらにアグレッシブなものとなっているし、インテリアも演歌調ではないのが特徴。オーディオパネルを見ると、どこかバング&オルフセンのオーディオのような雰囲気もある。これはなるほど・・・ティアナとは明確に違う切り口であるが、私はどちらも捨てがたい。魅力的に思えるのである。トヨタにしてはオリジナリティがあるではないかと正直思う。また、2.5Lでも6速ATを採用している点も魅力的であるし、新しいGR型のV6エンジンがこれまた非常にいい出来であることからも、ティアナにとっては手ごわいライバルの出現であろう。少なくともインテリアを見れば、さすがにスカイラインは論外と言わざるをえない。この新型マークIIだが、販売店に届いているスタッフマニュアルには明確な車名は記載されていない。ということは、ネーミングが一新される可能性も高いということだろう。個人的にはマークIIという名前は変えた方がいいと思う。このクルマは、マークIIという名前よりもまったく新しい名前で出した方がお客が増える。マークIIというクルマにはすでにイメージが染み付いている。これまでのマークIIは言ってみればそのブランドに頼っていたところがあったが、新型はそんなものは足かせでしかなくなるように思う。それだけの魅力を備えているクルマなのに、マークIIという名前では、これまでのオヤジ車のイメージに敬遠される恐れがある。私もこのクルマ・・・、マークIIという名前じゃなかったらいいのにと思う一人である。

これだけ変化する新型マークII後継車。TV-CMには、長嶋茂雄を起用したらいい。復帰第一弾となる長嶋氏が飛行場に降り立ち、用意されている300Gプレミアムに乗り込む。疾走しながら「力があるっていいですね」の名文句をもう一度聞きたいものである。