凄みのあるクルマ

世の中、たくさんのクルマがありますが、近寄りがたいクルマ、ある種の凄みを感じるクルマはあまりないように思います。ベンツもBMWジャガーも高価なヨーロッパ車の中に入ると思いますが、以前に比べれば大衆車的な雰囲気となった面は否定できず、街で見かけても驚く事はありません。ちなみに展示会などで展示してあっても平気で近寄ってどんどん見ることができます(どんどん買うことはできませんが)。先日、とあるホテルで思いがけずマセラティクワトロポルテと、フェラーリ612スカリエッティを見る機会がありました。このホテルは超高級ホテルで、駐車場は外車だらけ。そんなこのホテルのお客へプロモーションをするためか、コーンズが2台の超高級車を持ってきていたようでした。私はもちろん泊まったわけではなく、仕事で行っただけですが、ここで思いがけずこの2台と遭遇したわけです。マセラティクワトロポルテが1,344万円。フェラーリ612にいたっては2,990万円!と想像もつかない価格。ここまで来るとなんというか、クルマを見ているという感覚ではありません。もちろん、コーンズは常にあっちに行けという雰囲気を社員一丸となって演出しておりますから、そういう部分もあるのでしょうが、私はクルマそのものが近寄るなと言っているように感じました。そういうオーラがあります。でも、近寄って覗いてやりました。そのインテリアを含めて、ここまで来るとまさに芸術作品。クルマとして考えると異常に高いわけですが、世界的に有名な芸術家のクルマのような形をした作品で、しかも超一流の性能を持ったクルマとしての機能も備えていると考えれば、3,000万円もありかな?という気分になってきます。しかも、幸運にも搬出場面にも立ち会え、なんと動いている姿を見てしまったというのも思わぬ出来事でした。マセラティフェラーリもなんというか、口では言い表せない音で、私の知っているクルマの音ではありませんでした。しかも排気ガスのにおい。フェラーリの排ガスを吸ったぞ!とまるで一流女優とすれ違って、香水のにおいを感じたときのような喜びを感じてしまった私は一生こんなクルマには縁がないことでしょう。それにしても、やっぱりイタリアのクルマには特別なものがあると思います。スタイリングにしても、音ひとつとってもあの演出はドイツやイギリスのクルマにはありません。ベンツSクラスとかBMW 7シリーズではなく、あえてクワトロポルテを選ぶという選択はどうでしょう?お金の持ちの方にはぜひおすすめしたいです。私も3,000万円くらい宝くじでも当たったらマセラティに乗ってみたいですね。しかし、調べてみると、この2台のチーフデザイナーはなんと日本人なんだそうですね。こういう人がトヨタや日産のクルマをデザインしたらどうなるのか、非常に興味があります。