日産のミニバンに思う

最近順調に筆が進む。理由はわからないが、やはりこの場所の方が書けるのだ。ホテルでしか書けない作家のようなもの?とでも言うべきか。今日は、日産のミニバンについてちょっと書く。なんとなく日産のミニバンに思うところがある。日産のミニバンのラインナップは、下からラフェスタ、セレナ、プレサージュ、エルグランドがある。その他にもキャラバンコーチとキューブキュービックもあるが、純粋なミニバンはこの4車種というところだろう。この中で、個人的にエルグランドはそれほど文句はない。マイナーチェンジで商品力を向上し、インテリアも上級ミニバンらしく質感も上がったし、エクステリアもエルグランドらしく存在感があり、だけどアルファードのような演歌調的下品さは少ない。豪快な3.5Lエンジンと、2.5LにもV6を採用し、全車5速ATとFRレイアウトというのは、日産らしいこだわりを感じる。しかし、その他のミニバンは、私はこれでいいのだろうか?という思いがちょっとだけある。いや、本当はもっと売れてもいいと思うのだが、結果としてそれほど成功しているとは言えないから、日産のミニバン戦略はそろそろ方向性を変えないといけないのではないか?。

しかし、だからといって日産に迷いがあるのか?というと、実は迷いは感じられない。実にまっすぐな意志を持っている。日産のミニバンは、プレサージュラフェスタ、セレナともに正統派なのだ。これは、最近オデッセイ、ステップワゴンと初期の雰囲気を大きく変え、少し変化球を投げてきたホンダとは大きく違う。スポーティだとか、個性的なデザインだとか、そういう賭けはしない。シンプルで実用的で誰でも抵抗なく乗れる車を目指している。その点、日産のミニバンは評価できるものがある。日産のデザイン戦略は大きく変わり、個性的なデザインの車も多く出てきたけれど、ミニバンは意外と普通である。この辺は、お客の反応を受け止めている。今までの日産のようにひとりよがりになっていない。そして、実用性も高いものが多い。スタイルはあくまで室内の広さを重視したものであり、それは外観からもわかる。そして、何より価格が割安だ。プレサージュも2.5Lで220万円程度から用意されるし、ラフェスタは170万円から、セレナもメイングレードは200万円である。しかし、このように実にまじめに正統派のミニバンを作っているのに、販売台数では今一歩である。売れていないとはいえないが、日産の規模なら、もっと売れてもいいだろう。

その要因はなんなのか。私は1つに日産らしさが少し足りないのかもしれないと思う。日産車に求めるもの。それは少しスポーティ寄りのモデルなのではないか。トヨタのような車作りをしている日産はおもしろくない。しかし、今の日産はマーケティングで車を作っているから、なかなかそんな方向性にはならないのかもしれないが、今ここで日産車とは何か?を改めて問い直してみる価値はあると思う。そして次に、どうもインテリアがチープな点も気になる。ここはもっとお金をかけるべきである。価格は安くても中身がこれだったら、価格相応と受け取られてしまう。ラフェスタやセレナのインパネを見ても、写真ではコンパクトカーのような質感だ。本物はそうでもないのだが、それでもミドルクラスならもっとシートを含めて内装にお金をかけて欲しい。また、走りにおいても完璧にファミリー向けである。正統派だから仕方ないが、この点はもう少し考えてみてもいいかもしれない。とは言っても、戦略としてはこれも有りではある。こういった正統派の車種を揃えておいて、それらをベースに、少し個性的なモデルを出すという手もあるだろう。日産の規模ならもう少しミニバンのラインナップがあってもいい。

私が日産に出してもらいたいミニバンがある。それは、FMパッケージを採用したミニバンである。スカイラインのプラットホームをベースにしたFRミニバン。もちろんエンジンはV6の2.5Lと3.5L。パッケージングはプレサージュほど実用性に振らなくてもいい。スタイリッシュでスポーティなものにすべきである。室内も質感が高く、スポーティさを全面に押し出す。今までこういったタイプのミニバンはない。ミニバンといえば実用性の高いFFが中心だが、あえてここでFRのミニバンを出す。スカイラインのミニバンと言えばイメージしやすいだろう。これはまだ他社がやっていないものである。そして、日産らしいミニバンと思えるのだが、どうだろう?こういうミニバンが出てきたら、ミニバンに興味がない私のような人間でも、これなら乗ってもいいかなと思う。価格も戦略的に230〜300万円程度に設定すればいいだろう。私の案はどうだろうか。