高級車とは?

気付けばすっかり秋の気配。私は暑いなら暑いなりの格好すればいいじゃないかと、無理して暑くても秋物の洋服を着たりするタイプではないのですが、そろそろ秋物を着ようかと思いました。思えば、9月も終わりとなり、10月に入ります。10月は私にとっては非常に重要な1ヵ月です。あまり詳しくは触れませんが、1年以上にわたって準備してきたことが実を結ぶ(予定)で、ほとんどゆっくりと車について考える時間もないでしょうし、「CAR STADIUM」の更新もできないかもしれません。とはいっても1日か2日は休みもあるので、きっとその時には、休みたいと思いつつも、ついつい更新するんでしょうけど。しかしながら、たぶんすぐには最新の情報に更新できないと思われるので、11月まで待っていただけきたいと思います。「Hits Room」についても、できる限り何か書ければと思いますが、たぶんここまでは手が回らないでしょう。

というわけで、1ヵ月空白となってしまう前に、何か書こうと思います。最近、私はあることについて考えています。それは「高級車とは何か」ということです。これは、8月末に日本国内で、プレミアムブランド「レクサス」がデビューしたことがきっかけなのですが、あらためて一人の自動車ファンとして、あるいはこんなホームページで偉そうに意見を述べる者として「高級」とか「プレミアム」って一体なんなんだろう?と考えているのです。私もたぶんそうですが、雑誌を見ても、あるいは自動車メーカーのホームページ、CMなどでも高級車とかプレミアムなんて言葉は実に容易く使われています。使われているのですが、では、プレミアムってなんなんですか?高級車ってどこからどこまでを言うのでしょう?と問われて、すぐに明確な答えを出せる人はそんなにいないのではないかと思います。

でも、高級車という言葉にはやはり資格のようなものが存在すると思われるのです。たとえば、「トヨタクラウンは高級車です」と私が書いたとしても、それに対して、そうかなぁ?と思う人はあまりいないでしょう。たとえ、マイバッハに乗っている人が“クラウンなんて大衆車だヨ”なんて言ったとしても、一般的には高級車として反論する人はあまりいない。では、私が「トヨタビスタは高級車です」と書いたらどうでしょうか。これは微妙です。確かにビスタを高級車と思う人もいるかもしれません。しかし、それと同じかそれ以上にビスタは高級車じゃない!と言う人もいるはずです。なぜ、ビスタを引っ張り出したのか。まぁ、カローラヴィッツでは、話としてはあまりにもわかりきっていて、もっと微妙な線にいる車の方がいいということもありますが、一番の理由は、先代ビスタのCM(田村正和出演)で、高級車という言葉を連発していたからという理由です。私はあのCMを見て、ビスタは高級車なのか?と思いました。もうちょっと言うと私はそうは思わなかったのです。

なぜ、私はビスタを高級車と思わなかったのでしょうか。ひとつにはメカニズム的な問題が思い浮かびます。たとえば、FFで高級車はないだろうとか、直4で高級なんてありえないみたいな話です。そして、もうひとつは価格です。160〜200万円の価格帯の車で高級車なのだろうか?と思ったわけです。これはひとつの物差しになると思います。それと同時に、当時のビスタの内装を見ても、ごく一般的なミディアムセダンの質感で、特に飛びぬけて高級という印象は持たなかったという理由もあります。メカニズム、価格、質感。これがどうやら高級車の資格について重要なポイントになりそうです。しかし、それ以上に重要なことを忘れていました。私が一番高級車なのだろうか?と疑問を持った核心部分は、ビスタというネームが大きいのではないか、ということです。ビスタが高級車のはずがないという先入観がありました。これがいわゆるブランドというやつでしょうか。となれば、高級車にはブランドという部分が非常に大きな役割を果たしているといえそうです。クラウンも50年にわたって培われたブランドや歴史があるからこそ、人々が高級な車として認めているといえるでしょう。

で、レクサスブランドなのですが、レクサスという名前は、まだそれほど浸透していませんが、これから高級車ブランドとして確立されていけば、レクサスというだけで、高級車というイメージが湧きます。しかし、私はトヨタにそうなったら儲けもの!と思って欲しくない。常に高級車とは何か?と問いつづけて欲しいと思うのです。どこのブランドとは言いませんが、欧州のプレミアムブランドの中には、そのブランドにあぐらをかいているんじゃないかと感じるメーカーもあります。そのブランドのすべての車とは言いませんが、エントリーモデルとか、中にはけっこうひどいものもある。しかし、残念な事に日本のお客はけっこう喜んで高いお金を出して、その車を買っています。私はレクサスにそういうブランドになって欲しくないと思っています。常に挑戦を忘れずに、新しい高級車の形を見せて欲しい。コストダウンなんて考えないで欲しいですね。もちろん、企業として必要なことかもしれませんが、それで価格が高くなってもいいじゃないですか。それこそプレミアムブランドだからこそできることではないでしょうか。まだ、レクサスにはこれという物がありません。何を一番の売りにするのかあまり見えない。しかし、これからも今の挑戦心や向上心を持っていれば、きっと素晴らしいブランドになると思うのです。

と話がだいぶ外れましたが、私自身の「高級車とは何か」という答えははっきりとは出ません。やつぱりブランドなのかな?という気はするのですが、ブランドや価格は離れて、車として見た時に、どんなものが真の高級な物といえるのか。それはまだわからないのです。上にひとつの物差しとしてはいくつかのポイントを書きましたが、個人的にはそのポイントを押さえなくても高級車ができるかもしれないと思います。私がこの答えを出すには、まだまだ経験も見識も足りないのかもしれません。