日産ブルーバードシルフィ

東京モーターショーで公開された新しいブルーバードシルフィは、コンセプトとしては現行モデルとほぼ同じもの。適度な高級感を持った5ナンバーセダンというものだ。現行モデルの不満点として挙げられていたリヤシートの狭さを今回は解消し、ニースペースはプレミオにも勝るものになっている。プレミオがクラウンクラス以上の広さと謳っていたことを考えると、シルフィもフーガクラスの広さを確保していると考えられる。インテリアや外観の雰囲気はティアナに通じるモダンなもので、ラティオとともにモダンリビング3兄弟的な雰囲気を演出している。ボディサイズは、4610×1695×1510(mm)。

搭載されるエンジンは1.5LのHR15DE(109ps/15.1kgm)と、2.0LのMR20DE(133ps/19.5kgm)の2つ。中心は2.0Lとなる。グレードは、1.5Lに「15S」とe4WDを搭載する「15M FOUR」の2つが用意され、トランスミッションはE-ATx。2.0LはすべてFFで「20S」「20M」「20G」の3つのグレードが設定される。トランスミッションはすべてXTRONIC CVT。10/15モード燃費は、1.5Lが16.6km/Lで、2.0Lが16.0km/Lとなる。e4WDについては、15.0km/L前後と予想。排出ガス基準は全車SU-LEVの4つ星となる。生産が追浜工場で行われることを考えても、ベースとなるのはBプラットホーム系。ただし、情報によるとマーチなどに採用されているものとは違う新型Bプラットホームで、次期マーチなどに採用されるものとのこと。そのため、ホイールベースも2,700mmとロングなものになっている。しかしながら、ミディアムセダンを名乗るブルーバードシルフィに、Bプラットホームというのはいささか寂しいと感じる。ラフェスタもセレナも5ナンバーなのだから、Cプラットホームを使っても成立できたはずだが、この辺はコストとの兼ね合いなのだろうか。

また、今回シルフィのラインナップで意外なのが1.5Lと2.0Lというエンジン設定。ブルーステージ店とレッドステージ店ともにラティオ、シルフィを扱うことになるが、この辺との兼ね合いはどのようなものなのだろうか。1.8と2.0Lの2つの方が自然な気もする。しかし、MR型は4つ星対応の最新スペックで比べて1.8L(125ps)と2.0L(133ps)と、馬力の差が少なく、エンジンコストも変わりないため、2.0Lの1本とし、1.8L並の価格設定でライバルに対抗するというのは納得のいく考え方だが、ライバル車を含めて1.8Lが売れ筋となっているため、この辺のお客の反応は気になるところだ。確かに、税金も変わりなく、燃費も1.8L並だが、2.0というだけで敬遠するお客が出てこないか心配である。1.5Lについては、4WDの設定が必要だったということと、サニーユーザーの囲い込みという点で必要な存在だったらしい。ラティオは2BOXを無理やりセダンにした感じのスタイルがあまり評判が良くない。そのため、シルフィでそれらのお客に対応するという思惑もあるようだ。

個人的な感想としては、ブルーバードシルフィは実に普通の車という印象が強い。シートやドアトリム回りの質感はなかなかいいと思うが、エアコンのパネル周りの質感がチープなのが残念。あと、このクラスならばファインビジョンメーターを採用して欲しいところだ。価格は現行とほぼ同じくらいだろう。なお、ボディカラーは全7色。ホワイトパール(3P)、ダイヤモンドシルバー(M)、サファイヤブラック(P)に、新色のローズレッド(P)、シルキーベージュ(TM)、セシルブルー(TM)、ミスティラベンダー(TM)となる。