アキュラを日本展開

ホンダが2008年に高級車?ブランドの「ACURA(アキュラ)」を日本国内に導入することを決めたらしい。アキュラは1986年からホンダがアメリカで展開しているブランドで、トヨタの「レクサス」や日産の「インフィニティ」より少し前から展開しているものである。

このアキュラの日本導入は、トヨタのレクサスブランドに触発されたものであることは間違いない。日本でも勝ち組、負け組なんて言葉が使われるようになり、所得の格差が広がる傾向があり、コンパクトカーも売れに売れているが、高級車市場も活性化している。高収益性を見込める高級車市場に高級ブランドを掲げて高い価格で売りたい。そんな思惑はどこの自動車メーカーも持っているのかもしれない。

しかし、私は失礼だとは思うが、日本にアキュラのクルマを買う人がいるのだろうか?と思う。ホンダの高級車を買う人はあまりいないと思う。それはイメージの問題もあるが、今の北米でのラインナップを見ても、あまり高級ブランドだとは思わない。事実、アメリカでも高級車ブランドとは思われていないという話も聞く。唯一レジェンドあたりだけ、それなりという印象は受けるが、あとはアコード、インスパイア、インテグラじゃないか!という感じで、こんなものに高い金を出す人はいないだろう。エクステリアにもインテリアにもあまり独自性を感じない。高級車としての雰囲気やオーラも感じられない。わざわざ日本専用車種を開発することもないだろうから、これはかなり厳しい。あのレクサスですら、トヨタが社運を賭けて日本展開をしているが、トヨタブランドとの違いがはっきりしないといった厳しい意見を突きつけられている。あのクオリティでもそう言われるのだから、ホンダがそれを超えるラインナップを用意できるとは思えない。

それよりも、我々庶民にとって注目の情報は、ホンダ販売店の一本化である。ホンダは現在小型車やファミリーカーなどを中心としたプリモ店と、少し高級なイメージのクリオ店、スポーティなイメージのベルノ店の3系列での販売をしているが、これをホンダ店の1つにするという。このようにそれぞれイメージとしては位置付けがあったのだろうが、私を含めて、クルマ好き同士で話をするときには、ホンダに3系列も必要ないという話はよくしていた。昨年、日産が全車種を全店で扱うようになり、よりそのような印象が濃くなったが、本当にそうなってしまうようだ。しかし、その方がユーザー側にしてみれば喜ばしい。また、メーカーとしてもいいのではないだろうか。ほとんどの主力車種は全店扱いとなっているし、もうほとんど3系列の意味はなくなっていた。以前のように無駄に販売店ごとに兄弟車を投入できる時代でもない。それよりも、軽自動車を全店で扱ってもっとたくさん売れた方がいいし、アコード、シビックなどの販売が不振な車種も全店で扱って少しでも多く売れた方がいい。また、ユーザーとしても一番の近くのホンダの店でなんでも買えるのはうれしいし、クリオ店でオデッセイを買った家が、セカンドカーを買うのに付き合いのあるクリオ店でライフを買えるようになる。あとは値引きの面でも多少はいいだろうか。販売店にとっては競争が激化するかもしれないが。

この1本化は、2008年のアキュラ投入までに実現するようで、名前はホンダ店になるようだが、全系列で全車種が買えるようになるのは、もっと早くに実現し、来年にも実施されるようだ。