2代目と言っていいの?eKワゴン

10月に発売される2代目三菱eKワゴンeKワゴンといえば、それまで三菱の中心車種だったミニカに代わり、三菱の軽の中心的な車種としてヒットした。リコール隠し問題で瀕死の状態に陥っていた三菱の中で唯一売れていた車種でもある。そのeKワゴンが初のフルモデルチェンジを受けるということになったのだが、この新型が果たして2代目と言っていいものかと悩んでしまうほど何も変わっていないのであった。

結論から言えば、フロントマスクが少し変わり、インパネがインパネシフトタイプの新しいものになった程度で、あとはスライドドア仕様が追加されただけ。サイドやリヤなんてどこが変わったのかわからないほど同じだし、プラットホームはもちろん、なんと変わると思われていたエンジンですら、20年前から使っている3G83型SOHCと同ターボのまま。これでは、ただのマイナーチェンジで、とてもフルモデルチェンジと呼べるものではない。

この新型(?)eKワゴン、ボディカラーを同じ色で買い替えたら、きっとクルマ好き以外、新車に変えたことに誰も気付いてくれないだろう。いや、私のようなクルマオタクだって遠目に見たら初代か2代目かわからないような気がする。ドアやリヤゲートやリヤコンビランプなどは現行とまったく同じものを使っているんじゃなかろうか。もし、新規開発でこんなに変わらないものを作り直したとしたら頭がおかしいとしか言い様がない。

「i」があれだけ素晴らしいクルマだっただけに、新型eKワゴンに期待していた人は多いように思うが、このクルマは現行モデルから買い換える理由も価値も感じられない。私はモデルチェンジとは認めない。日産は下手したらオッティのマイナーチェンジとしてプレスリリースを出すんじゃないかと思う。いや、それでもなんの疑いもないほど何も変わっていない。

もし、これであと4年も5年も闘う気なら、それは価格を大幅に値下げしなければ商品力が維持できない。少なくともこれだけお金のかかっていないモデルチェンジを実施するなら、価格をアルトやエッセなどと同等の70万円台まで引き下げる必要がある。それならば選ぶ理由も出てくるが、もしも現行並かそれ以上の90万円台も出すなら、同時期に出る新型ダイハツムーヴをおすすめしたい。ステラやライフだってベーシックグレードは94万円。わざわざ90万円も出して20年も前から大して進歩していないクルマを買う必要性は何もない。ただでさえ、数少ないヒット車種であり、三菱にとって重要なモデルのはずなのに、こんな手抜きをするとはナメ腐っとる!新型はbK(B級)ワゴンに改名しなさい。