次期セドリック!

もうご存知の方も多いだろうが、某雑誌に次期セドリックが掲載されている。しかも、よく掲載されているスクープ写真らしきもの(偽装されたり、一部のみが写っているもの)ではなく、もうちゃんとメーカーが正式に写真を撮ったもの、販売マニュアルに載っていそうな写真が掲載されているのである。エクステリア、インテリアともに明確に写っていて、これはもう確実にこれが出ると思われるものだ。さらに、おおまかなグレード構成や価格までも決定しているのである。気になる新型セドリックは、2.5Lと3.5Lの2つのエンジンで構成され、全車に5速ATを採用。ターボは消滅してしまい、エクストロイドCVTも用意されないのだという。グレードは各エンジンに2つが用意され、ベーシック(といってもこのクラスだから充実したものだろう)と、上級仕様(ナビなど追加)が設定される。また、AWDは3.5Lのみに設定されるらしい。ここでAWDという言葉が出ているのだが、掲載されている資料を見ると、現行セドリックやライバルクラウンは4WDと表記しているのに対し、新型ラグジュアリーカー(つまり新型セドリック)はAWDと表記されているので、今後は日産もAWDという呼び方をしていくのかもしれない。価格は2.5Lのベーシックグレードが現行から据え置きの312.0万円とされている。ナビ付きは339.7万円。3.5Lのベーシックは366.0万円。これは現行300LVよりも安い。そして3.5L最上級グレードが423.0万円となっている。AWDは3.5Lながら、上級グレードが403.0万円、ベーシックは363.0万円と、FRモデルよりも安いが、これは何か装備が削られているのだろう。

スタイリングはちょっとセドリックらしくない。これまでの日産特有のちょっとワルっぽいというか、トヨタとは違う意味での品のなさ、ある種のガキっぽさ、そういうものがなく、正統派の高級車に生まれ変わっている。そういう意味で、前のイメージが強くある私には、ひと目見た時は物足りなく感じたが、ヘッドランプなどは日産らしくデザインされている印象を与える。全体的な形はティアナ風で、思わずFF?と思ってしまった。キャビンが特に広そうだからだろうか。インテリアは、この写真を見る限り、もしかしたらシーマよりもいいかもしれないと思う。日産のテーマとなっているセンターにスイッチ類を集合させるという一連のデザインを取り入れ、さらにセドリックらしくなく、品良くまとまっているように見える。シートも大きく、とても上質そうである。この点も、もしやシーマよりもいいかもしれないと思えるほどの作りである。とにかく広い室内にこだわりを持ったというセドリック。こんなセドリックはたぶん史上初めてだと思う。V6を生かした正統的なクルマ作りをしていると思う。

しかし、よく考えれば来年の春以降にデビュー予定のクルマがもう正式に撮影されて、ここまでの資料ができているのはちょっと疑問だ。今回のように流出!なんてことも考えられるわけだし、発売から1年近く前の段階で、ここまで詳しい内容が決定するものなのだろうか。本来ならまだわからない部分も多いのではなかろうか。今年はモーターショーがあるから、そこに出品するための写真ということは考えられるが、価格等まで詳細にほぼ決定しているということは、来年の以降ではなく、クラウンのモデルチェンジに合わせて年末か来年はじめにもデビューするんじゃないかと思う。私は現行セドリック・グロリアのデザインが好きだから、新型は正直がっかりしたのが最初の印象だった。しかし、よくよく考えてみると、まじめに正しい切り口から高級車を作ったのは新型で、実は正当なクルマかなと思う。デザインも細かく凝った部分はあるが、顔やお尻は保守的なもので、これくらいの方が客層にマッチするだろう。でもトヨタクラウンのようにケバケバしさはないし、ヨーロッパの高級セダンのような雰囲気があって、見慣れてくるとなかなかいいじゃないかと思う。価格も魅力だ。2.5Lのナビ付きが340万円となると、スカイラインより明らかにコストパフォーマンスに優れる。新しいFR-Lプラットホームも全面的に手が入っていると言うし、基本的にはスカイラインの上級版と言ってもいいわけだから、スカイラインの250GT(ナビ無し4ATでかなりチープな内装・280〜300万円)を買うならセドリックかグロリアの方が大幅にコストパフォーマンスが高い。