いらない充実

ヴォクシーに新しいパッケージ「X“Lエディション”」が追加された。ディスチャージヘッドランプと、パワーアシストドアが追加されるというパッケージである。価格は213万円だから、パワーアシストドアが9万円、ディスチャージは5万円という計算で、ちっともお得ではない。正直こんなものはいりません。少なくとも消費者にとって少しも利点などない。見方によっては大損モデルだ。無駄なパッケージなど増やさず、「X“Gエディション”」にディスチャージと、パワーアシストドアのオプション設定を用意すれば済むだろう。この「Lエディション」の登場によって、「Gエディション」のオプション設定は狭められた。アルミホイールなどのオプションが「Lエディション」に移ってしまったから、アルミが欲しいなら「Lエディション」にしなくてはならない。パワーアシストドアだけが欲しい人はディスチャージも買わなければならない。アルミとかパワースライドドアなどは人気のあるオプションだから、これは汚いなぁと思う。5〜10万円差なら、せっかくの高い買い物だし・・・と出してくれると期待しているのだ。さらにトヨタのやらし〜ところは、この「Lエディション」にナビパッケージを用意していないところだ。「Gエディション」にはナビパッケージが存在し、G-BOOK対応DVDナビとMD/CDオーディオ、そしてパワーアシストドアがセットで装備される。これで36万円アップの235.0万円だからこれはお得である。通常は241.5万円になる計算だから、6.1万円のお得なのである。しかし、「Lエディション」にナビを付けると、246.5万円となってしまうのだ。ようするにこの場合はディスチャージヘッドランプだけに11.5万円払わされるということになる。こんなことなら「Gエディション」のナビパッケージなどやめてしまえと思う。少なくともその方が、これから「Lエディション」のナビ付きを買う人の、（11.5万円も余計に払う）不公平感を無くすことができるだろう。アルミホイールやディスチャージヘッドランプ、そしてナビ。主に若い世代としては、欲しがる装備を上手にいじくって、なるたけ儲けようとする。トヨタはこういうことをけっこうよくやる。特別仕様車でもまったくお得ではないのに、お得だと大きな嘘をついていたり。こういうのは感心しません。ノアもそうだったが、「Vセレクション」だのなんだの、これもメーカーの都合。結局バリエーションは今より少なかったが、オプションで補えた一番初期のモデルが、一番お得だったんじゃないかと思う。