ここまで来た


トヨタが発売したダイナとトヨエースという小型・中型トラックに搭載される新しいディーゼルユニットはなかなか注目すべきものだと思う。これはエンジン形式がトヨタ流とは多少違うので、日野自動車製のものを共同で改良したものと言った方がいいかもしれないが、日野デュトロというトラックにもこのユニットは搭載される。このディーゼルはDPNRというもの。これは新開発の強力な触媒を搭載ものというが、かなりクリーンな様子である。平成12年基準粒子状物質85%低減レベルを実現した、この新しいディーゼルターボエンジンは、一部グレードで「良」低排出ガス認定を取得している。さらに、同時に発売されたハイブリッドも注目だろう。これはトヨタのお得意のハイブリッドシステムをトラック向けに改良したものだろうが、どちらかと言えばマイルドハイブリッドに近いものと言えそう。発進時にモーターがアシストし、通常走行時はエンジンのみ、そして減速する時には発電を行い、電気を電池に貯めるというもの。アイドリングストップも採用している。こちらは、なんと「優」低排出ガス認定を取得している。これはガソリンエンジンを搭載したトラックではなく、ディーゼルエンジンを搭載したトラックである。それが、「優」低排出ガス認定を受けるとは、この進化はめざましいものがある。ガソリンと同等のクリーン性能を身につけつつあるということだ。ディーゼル車の締め出しとか、いろいろと物議をかもした面はあったが、悪者になったおかげで、この進化も一気に進んだわけで、これはこれでよかったと思う。ただ、もちろんこの性能はいわゆるプレミアム軽油を使用しなければ得られないものである。


こうなると、乗用車向けのディーゼルエンジンも近いうちに出てくるのではないかと思う。特にトヨタは新型アベンシスに搭載するディーゼルターボで世界トップレベルのクリーン性能を実現し、また東京都でのテストでも高い評価を受けたということだから、この2.0L直噴ディーゼルターボが出でくるとしたら、最低「優」低排出ガスくらいは取るのだろう。もしかすると「超」低排出ガスも夢という話ではない。また、マツダアテンザに搭載している2.0Lディーゼルターボを国内で販売したいと考えているようであるし、アコードにはホンダ初となる自社開発の2.2Lディーゼルターボがヨーロッパ市場で発売される。これも、日本での需要が高まればすぐに出てくるだろう。スバルも水平対抗ディーゼルの開発をはじめたという。もっともっと先の話のように思えていたが、案外日本で最新のディーゼル車に乗れるのは、そう遠い話ではないかもしれない。