レガシィ3.0R


レガシィの6気筒はやはり魅力的なクルマだろう。私がレガシィを買うとすれば、迷わず3.0Rにする。それよりも、日本のミディアムカーの中で考えたら、やはりレガシィはベストなチョイスであると改めて思う。ベーシックな4気筒SOHCエンジンからスポーティなツインカムエンジン。そしてもっとも過激(レガシィの場合は過激という言葉はあまりふさわしくないかもしれない)なターボ、そして今回追加された6気筒と、幅広いレガシィのラインナップは魅力と個性がある。こういうラインナップのクルマは日本にはほとんどない。それは、あまり日本で受け入れられないという面があるのだろう。日本では高級車と言えば、クラウンのような物をイメージする人が多いためである。それに、日本は車種が多いから、例えばアコードにV6を搭載すると、インスパイアはどういうクルマになるのかという議論が出てくる。クラウンも高級車だが、レガシィも高級車だと私は思う。少し意味は違うが、レガシィの走りは高級だ。走りが高級なクルマを重視するなら、今のところこのクラスではヨーロッパ車か、レガシィあたりが有力な選択である。

しかも、3.0Rはツーリングワゴンで300万円という安さである。私が考えるライバルと比べれば、ずいぶんと安い。アウディBMWメルセデスベンツなどの6気筒+AWDモデルを見てみると、フォルクスワーゲンパサートが400万円台だが、あとは全部500万円後半の価格設定となっている。これはとても高い。レガシィとこれらのクルマに味の違いはあれど、果たして200〜300万円もの価格差を感じられるのかと考えれば、答えは「感じられない」だろう。しかも、今度のレガシィは内外装が本当に良くなった。私は率直に言って、普通のクルマに成り下がったCクラスより、レガシィの方がずっと質感が高いクルマだと思う。密度の高さを感じさせるという意味ではアウディに近いものを感じる。新型レガシィの時にも言ったかもしれないが、今回のレガシィは2.0GTが360万円、3.0Rが400万円近い価格設定であっても、私はそれほどビックリしない。高いと思うとすれば「スバルなのに」という理由だけだろう。このレガシィの新しい3.0Lは水平対向エンジンという独自色も持っている。このクルマでなければ得られないものがある。そして、ヨーロッパのプレミアムブランドを考えている人にも充分満足してもらえる内容を持っていると思う。ただ、彼らが納得しないとすれば、価格が安すぎるという点だろう。それと、もう少しカラーバリエーションが充実しているといい。プレミアムカーなら最低全10色は欲しいと思う。