レッドカード

ブランドは地中に埋まった


三菱ふそうトラック・バス株式会社のリコール隠し問題が再燃している。これにより、前会長の宇佐美隆容疑者をはじめ、元常務、元品質保証部長などの品質や安全に関わる部署の責任者など7人が逮捕される事態となった。彼らは分社化される以前には三菱自動車工業にて、役員などを務めていた。2000年に1度目のリコール隠しが明るみに出て、大きく社会を揺るがせた三菱が、まったく反省することもなく、リコール隠しを続けていた。大変残念である。2000年の時点で、三菱に対する風当たりはかなり厳しかった。私の周りでも、三菱のクルマに対する不信感を持つ人は増えたし、かなりボロくそに言う人もいた。私と同じようなサイトをやっていた人(面識はありませんが)は、HP上から三菱の部分はすべて消して、顧客の安全を軽視する三菱車は一切おすすめできないというようなことを書いていたりもしていた。しかし、私自身は、応援したかった。必要以上に叩かれた部分もあるだろうし、何よりこれだけ信頼を失った以上、今後はもっとも信頼できるメーカーになるだろうと思ったからである。だから、なるべく私は「HITS ROOM」や、それ以前の場所でも、三菱にエールを送るような書き方をしようと心がけてきた。そんな風に思っていた人もけっこういるんじゃないだろうか。しかし、三菱は何も変わっていなかった。「まじめ まじめ まじめ」「ドイツの厳格な基準」みんな嘘だったのだ。多くの三菱ファンや、クルマ好きを裏切った。人から聞いた話なので、よく詳細はわからないが、テレビか何かで、徳大寺氏が前回はイエローカード、今回はレッドカードだから退場してもらいたいと言ったらしい。私もその通りだと思う。あれだけのことがあって、変われないメーカーは、もう変わることはないだろう。そして、どれだけ反省やお詫びの言葉を言ったところで、その言葉を信じる人はもう誰もいない。1回ならば(あれだけのことがあったのだから)もうないと言える。でも、2回目があったら、もう信頼の回復はありえない。一度の失敗のあと、信じていた人の情けなさ、怒りは1度目の比ではないはずだ。多くの人はもう三菱のクルマには乗らないだろう。確かにダイムラークライスラーとの提携、様々なことはあっただろうが、「安全性」という自動車メーカーにとって一番重要な点を30年以上も軽視しつづけ、それが発覚してもまだ変わらなかった。自動車という命を預かる、あるいは凶器になりうる商品を作っているという自覚がない。こんな会社に自動車を作る資格はない。もう退場していただきたい。