時代とともに

21世紀に入ってから、数々のビッグネームが姿を消した。そしてこの秋には日産の代表車種ともいえるサニーとセドリック/グロリアの名前も消えていく。これらのクルマたちは、失敗の上消滅していくというより、より発展するために名前を一新するといった方がいいだろうが、やはり慣れ親しんだ名前が変わるのは寂しいものがあり、そのような声も聞く。ただ、クルマは時代とともに変わっていくものである。例えば、どの世代の人でも人生を振り返るとその時その時にヒットした音楽のように、クルマにもまた刻まれた1ページがあるだろう。あの頃、こういうクルマが流行したなぁと懐かしむ経験をしている人も少なくない。私は、クルマは趣味的な部分も多く含むものだが、結局は商売でもあるわけだから、この時代には逆らえないと思っている。確かに愛着のある名前が消えていく寂しさはあるが、これで終わりというわけではない。魚だって漁獲量は長い期間の中で増えたり減ったりする。大衆魚だと思われていた魚でも気が付けばあまり獲れなくなって高級魚になっているかと思えば、高級魚だと思っていた魚がたくさん獲れるようになり大衆魚のような存在になっていたりするもの。そのもっともいい例が、ホンダシビック、アコードあたりではないだろうか。この2車種も存続の危機に直面しているようだが、私は何も無理に続けなくてもとりあえず国内での販売は打ち切ってもいいのではないだろうかと考えている。シビックもアコードもホンダの代表車種と言っていい。しかし、その販売は近年お世辞にも代表とはいえないものである。特にアコードワゴン、シビックの販売は悲惨なものである。つい10年前までは飛ぶように売れていたクルマも今ではこういう状況になるのだから自動車業界も厳しい。しかし、それは時代の流れである。ホンダの代表車種は今やオデッセイ、フィットである。まさにこの2台は今の日本の自動車シーンをもっともよく現しているといえ、こちらに発展的に移行したという考え方もある。だから、ここいらでスパッと終わりにするのもいいと思っている。無理に継続してもあまり販売が上向くことはないだろう。日本国内で売れない車種はどうしてもアメリカなど売れる市場を中心に作られ、余計に日本のお客が求めるものとに差が出てしまうからである。しかし、発展系で失敗した車種もある。それがヴェロッサだろう。ヴェロッサは誰に聞いてもまじめにクレスタの新型を作った方が何倍も売れたという声が出る。やはりビッグネームを消してまで投入する後釜は相当の力作でなければ評価されない。小手先だけ名前を変えて成功するほど甘くはない。ここで元の話に戻るが、日産サニー、セドリック・グロリアはティーダラティオ、フーガという名前で登場する。そしてマークIIマークXという名前に進化して登場する。私が感じた限り、これらのクルマはまぁ変わったと言えば変わったなぁという印象なのだが、果たしてこの時代がどのような評価を下すか注目すべきところである。