一歩前進

新型エスティマエスティマも早いもので3代目ですか。今回のエスティマは、まったく新しいプラットホームを採用したとか。すでにRAV4で採用されているものらしく、幅広く対応できるものなのだそうな。次期欧州向けカローラは基本的にこのプラットホームを使うのだという。そんなこともあって、欧州カローラには3.5L-V6まで搭載できるというのだから驚きだ。

しかし、思ったよりも新型エスティマはキープコンセプト。これでは新型とわからない人もいるのでは?と思ってしまうが、中身はもちろん装備も含めてトヨタらしくなんでもありで、実に充実した内容となっていると思う。その分価格はやや上がったが・・・・。2.4Lだってナビだのなんだのオプションしていると、350万円コース。上級グレードは軽く400万円を超えるのだから、ファミリーカーとは言えないような価格。これがおそらく当分は月に5,000台以上は売れてしまうんだから、トヨタのドル箱である。

今度のエスティマを見ていると、欲張りなクルマだと思う。ホンダエリシオンの時も似たようなことを思ったが、ライバルのいいところはすべて盗んでいる。その上で、エスティマらしいボディと走りの良さを加えているのだろう。ただ、私個人的にとても素晴らしいと思った点は、ついに3列シートミニバンの2列目と3列目シートに中央席ヘッドレストと、3点式シートベルトが装着されたことだ。これはこのサイトが始まってから、だいぶしつこく言ってきた記憶があるし、メーカーに質問してみたり、ディーラーでもしつこく言いつづけてきたのだが、そんな微々たる私の意見も他の方々の意見と加わる事で、ようやく実現しようとしている。中央席ヘッドレストについては、ホンダエリシオンでも一部グレードに装備されていたが、3点式シートベルトとセットで装着されるのはエスティマのみである。装備されるのは上級グレードの「G」と「アエラス"Gパッケージ"」のみだが、他のグレードもサイド&カーテンエアバッグなどとセットでオプションできる。設定ができただけでも進歩といえる。

ただ、私はあえて言わせていただく。なぜこんなものをケチケチする必要があるのだろうか。設定がまったくないのなら話は別だが、設定があるのにエントリーグレードでは省く。ヘッドレストが1つ何万円もするものなのだろうか。おそらく原価でいうと千数百円くらいだろう。シートベルトだってそうだ。省いたからといって何万円もコストダウンになるとは思えぬ。総支払い額が300万円オーバーのクルマだ。1万円や2万円本体価格が上がったって大した影響はないのだから、これくらい装備しなさい。ただ、やはりこの分野だけでなく、安全面での精神や技術はトヨタが一番進んでいる。その他のメーカーは似たようなものだが、一番遅れているのは日産だ。フーガクラスでも全車に装備されていないとは一体どういうことなのだろうか。私は以前から日産には甘いと自覚しているが、それも瀕死の状態から復活するまでの話だ。もう今はそんな甘い目で見ていられない。本当に日産にはがっかりしている。もう知るか!と思ってしまうほどで、前々からそれについて書きたいと思っているのだが、話がズレるので今日はやめておく。

まぁ、それはそうとしても、今回の前進は日本のミニバンにおいては大変いいことである。これを機会に特に遅れているミニバンはもちろん、コンパクトカーを含めて全車に人数分のヘッドレストと、3点式シートベルトを標準装備するようにしてもらいたい。というより、近いうちに法規的にそのようなことになるだろうと思う。でも、法規がそうだからというのでは寂しい。