ガソリン価格高騰!ディーゼル復権?

それにしても最近ガソリンが高い。2年前には1リットルあたり105円くらいだったレギュラーガソリンが、今や150円になろうという勢い。1.5倍に跳ね上がったことになる。こうなってくると、おのずと低燃費運転を心がけてしまうし、無駄にクルマに乗らなくなったという人も多いのではないだろうか。

このようにガソリン価格の高騰により、ハイブリッドカーの需要が高まりを見せている。トヨタプリウスの販売は好調だし、先代ではほとんど売れていなかったシビックハイブリッドも販売を伸ばし、ガソリン1.8Lのシビックよりも、ハイブリッドの比率の方が高くなっているらしい。ホンダはコンパクトカーのハイブリッドを来年発売するらしいが、価格が150〜160万円程度なら大ヒットするかもしれない。ただし、インサイトのような燃費スペシャル変態車にしてはならないが。

軽自動車の販売も伸びているらしいが、軽は燃費で言うとそれほど良いとは言えない。昔の1.5Lクラスあたりなら乗り換えれば、燃費は良くなったと感じるかもしれないが、現代基準で言えば、むしろヴィッツクラスを買った方が圧倒的に燃費はいい。大きく重くなった現代の軽にとって、660ccという排気量は小さすぎる。本当に環境のことを考えるならば、軽自動車の規格を改訂すべきだと思う。スズキは普通車にシフトしつつあるし、ダイハツトヨタみたいなもの。そろそろ排気量を1.0L以下あたりに改訂してはどうだろうか。そうすれば、CVTと組み合わせることにより、実用燃費で20km/Lに届くようなクルマも実現できそうではないか。ただし、税制優遇を残すならば、燃費の悪化を招くターボ、スーパーチャージャーは禁止すべきだ。しかし、これはこれで楽しいもので、残したいという人もいるだろうから、加給する場合は660ccのままという決まりにすればよい。

そして、ここまでガソリンが高くなるとディーゼルエンジンが待ち望まれる。先日メルセデスベンツが欧州仕込みの最新ディーゼルエンジンを搭載する「E320 CDI」を国内で発売した。日本メーカーでは絶滅している乗用車ディーゼルを今、投入するというのは、やはりディーゼル嫌いの日米でもガソリン価格の高騰により、イヤイヤでも燃費が良く燃料代が安いディーゼル車に人々の目が行くことは必然であると同時に、この最新のディーゼルターボに自信があるということであろう。新開発のV6 3.0L 直噴コモンレールディーゼルターボは、211psと3.0L V6ガソリンにも劣らないパワーを発揮し、トルクはなんと55.1kgmと5.5L V8ガソリン並というものすごさである。10・15モード燃費は公表されていないが、以前ボッシュ主催のディーゼルDayで、BMW 530d(3.0L 直6ディーゼルターボ)が平均燃費10.6km/Lを記録していたことを考えると、第3世代ピエゾインジェクターに7速ATを採用する「E320 CDI」は、10.0km/Lは最低でも走るとみていい。同じ3.0L V6の「E300」は実用燃費はせいぜい6〜7km/Lというところだろうから、これを考えると燃費の良さは3割増し。しかも、軽油の価格の安さを加えると燃料代は相当の差になる。80Lタンクを満タンにしようものなら、ハイオク対軽油。1回の給油で3,000円近く違う計算になる。

これに続き、フォルクスワーゲンも「ゴルフ」に最新のディーゼルモデルを投入する計画であるという。欧州メーカーを中心に最新のディーゼルエンジンを積極的に投入してもらえれば、日本のメーカーも国内で投入することを考えはじめるだろう。そういう意味では、今回の「E320 CDI」の販売と日本ユーザーの評価については、日本メーカーは大きな興味を持っているはずである。ちなみに国産ディーゼル車については、2009年に三菱が新開発するディーゼル車を国内投入すると発表している。2010年あたりが日本における新たなディーゼル元年になる可能性がある。