カローラと歩んだ6年

知らないうちに「CAR STADIUM」も6周年を過ぎた。そして、気付かぬうちに7年目に突入している。3年や5年は、ついこの前のことのように思うが、それほど長い気はしなかった。けれども、7年目という数字は10年に手が届きそうな気がして、けっこう長いことやってしまったなと思う。まさかこんなに長く続くことになるとは思ってもいなかったが、月日が経つのは早いもので、すっかり私もおっさんになってしまった。

アクセス数はあるときから一定と言うべきか、頭打ちと言うべきか、伸びもしないが減りもしないという感じだが、一時の熱の入れように比べて、必要最低限のことしかやらなくなったこの頃でも、これだけ毎日訪れてくれる方がいるということは、求められているという実感でもあり励みになる。累計260万以上ものアクセスをいただいたことに感謝するしかない。

さて、10月10日には新型トヨタカローラがデビューする。「変わらなきゃ」というフレーズでデビューした現行カローラに対する思いは、個人的にけっこう深いものがある。それは、この「CAR STADIUM」を立ち上げた当時、現行カローラがデビューしたばかりで、その頃その質感の高さと価格の割安さに驚愕し、まず最初に取り上げたクルマだったからだ。トヨタ車に限らず、すべてのメーカーに言えることだが、それ以前の車は安っぽいものが多かった。バブル期に潤沢な開発費を費やされ、コストもしっかりかかった車が多かった時代からバブル崩壊。時代はコスト削減の波に呑まれ、クルマのクオリティが一気に下がった時期があった。トヨタとて、コスト削減が上手ではなく、先代カローラなどはひどいものだった。しかし、そこからまさに「変わった」のが現行カローラだった。このカローラが出てから、トヨタのクルマだけでなく、ほとんどの車のクオリティが明らかに上がったと思う。21世紀を目の前に9代目カローラは新しい時代の幕を開けた1台だったと思う。

そんなカローラも10代目になり、また大きく変化しようとしているようだ。現行モデルがあまりにも良くなりすぎたため、新型は6年前のような驚きは感じられない。2000年にデビューした9代目カローラの時点で、セダンユーザーの平均年齢が59歳というニュースはけっこう報道されていたが、あれから6年が経ち、セダンに限って言えば、60歳を超えているという。自然な流れなのかもしれないが、ユーザーの高齢化は避けては通れない。現行では若返りを図ろうとしたが、新型ではむしろ高齢者に向けたクルマ作りに方向性を変えたように思われる。人口に占める高齢者の割合が20%を超えたというから、これからは高齢者に向けたクルマ作りをすることが、ビジネスになると考えたのかもしれない。10代目となる新型カローラは「アクシオ」というサブネームが付くようだ。これも遠くて近い将来の変化の兆しなのだろうか。カローラはこのままカローラを愛した世代とともに消えゆく存在なのかもしれない。