新型ライフがデビュー


新型ライフは売れる。このクルマには、ヒット車に共通するにおいがある。確かにどこかで見たような印象はあるが、ホンダっぽい、あるいはライフっぽいイメージを上手に残しつつ、女性をターゲットに置いて、とてもシンプルでポップで、明るいいいクルマとなっている。内外装のカラーにもこだわりを持っているし、食材をイメージさせるボディカラーを用意するなど、早い話が軽自動車界のマーチである。この判断は賢明だろう。

しかし、このライフは単にスタイリングのみを一新したモデルではない。ほとんどすべてを一新している。室内空間は軽としてはトップレベルを実現!これ以上どうにもできないくらいホイールベースは長いし、とにかく広い。インテリアの質感もフィット以上に感じる。エンジンもまったく新しいi-DSIエンジンを搭載。さらにこちらも新しい4速ATの採用も実現した。環境性能もトップレベルであり、NAエンジンはもちろん、4WDもターボもすべてが「超」低排出ガス認定を取得というのは軽としては初めてのこと。燃費も十分に高い性能を出すだろう。まさに、どこを取っても軽トップという内容に仕上がった。実はこういうことはホンダとしては珍しいことではない。でも、第一印象があまり良くないクルマが多いのがホンダの欠点でもあった。カタログを見たり、乗ってみたり、他社と比べると、けっこういいねと思うのだが、どうにも「欲しい!」というピンと来る部分が少ない。もちろんひとつひとつの内容の進化はとても大切なのだが、その進化もある上で、第一印象で“なんかいいかも”と思うライフは売れないわけがないだろう。